生薬作ってます

●打ち身や捻挫に効く漢方

高齢者は足腰の衰えから、ちょっとしたことで転んでしまいます。
骨折すれば寝たきりになったり、認知症が進んだりとつらいことばかり。
骨折しなくても、打撲だなんだで動くのがしんどくなりますよね。

当院は西洋医学だ、東洋医学だなどというこだわりはありませんで、
「患者さんのつらい症状がよくなればそれでよい」という考えで治療をしています。

いわゆる打ち身や捻挫に対しては、漢方の先進地・福岡の飯塚病院の先生から、治打撲一方という漢方の効き目を教えてもらいました。
「下手なシップや塗り薬よりも効果があるんじゃないの?」とのこと。

ただ、原料を作っている中国では生薬が品薄状態で、次のロットが作れないかもしれない。というメーカーからの情報がありました。その漢方薬の成分のキモである、コウホネを栽培してみようと思いました。


●農業のド素人でもできるのか

とはいえ、わたしはしがない医者に過ぎず、農作業なんかやったこともありません。子どもの田植え体験について行って、膝から下が泥につかった程度です。
図書館などにいっても「初心者でできる●●づくり」みたいなマニュアルがあるわけでもないですし、何より自前の農地がない。。

そんな中、名取市役所に相談すると、この道のプロフェッショナルからご厚意で田んぼを使わせていただけることになりました。

田んぼ?と思う方もいるかも知れません。名取の名物のひとつがセリです。
(セリ鍋は絶品なので、旬の時期に一度召し上がってください)
そのセリをつくっている農地も「田んぼ」というのだそうです。


●プロジェクトX

まずは実験的な栽培ということで、30m×15mほどに仕切っていただき、水まで引いていただきました。

土に肥料の鶏糞をまきました。作業にお邪魔したのが当直明けのため、農協だとかプロ御用達の店が閉まっており、ふつうのホームセンターで買いました。ただ、プロからすれば「ううむ・・」という感じだったようです。鶏糞は粒状に加工してあるほうが撒きやすいし、均等に土と混ざるのだそうです。

わたしも駅弁売りみたいな大きな箱をぶらさげ、肥料を節分の豆まきのように田んぼにまきました。鷲掴みにしても結構な量でした。長靴がずぼっ、ずぼっと土に埋まります。足を取られて転びそうでした。実際にコケてしまい、携帯が水没して終了したので、その時の写真はありません。ご容赦ください。

プロはスタスタと田んぼの中を縦横無尽に歩き、20kgもある肥料袋を軽々と振り回しながら、まんべんなく肥料をまいていました。私の10倍速ぐらいで作業が終わりました。
腕の太さも半端ないのは、日々のこうした鍛錬の賜物なのでしょう。

続いては田んぼのしろかき、はずかしながら私はまったく知りませんでしたが、本職はハーレーダビッドソンみたいな耕運機をたくみに扱って、みるみるうちに田んぼの土をほぐしていきました。肥料と土をブレンドして、田んぼの完成です。

とても手際が良くて、見惚れるぐらいでした(笑)


<6月8日>
弱々しいですが、土の中から茎が見えます。
土がよくほぐされているので、しっかり植わっています。


<6月27日>
植えてから3週間。だいぶ葉っぱも成長して、茎も太くなりました。
コウホネは、根っこが生薬になります。


苗は通販で買ったのですが、品薄のようで、苗が田んぼの中にスカスカ状態です。
早く届きますように。

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