柿の実がなりました

名取市植松にある当院。
庭には薬草や薬木を植えています。ちょっとした薬草園になっています。
来てくださる患者さんの保養になればと思ったからです。
ゆくゆくは、採れたての薬草をつかった薬膳や、煎じ薬などを味わう会ができたらいいなぁと思っています。ブログでご案内したいと思います。



柿の実が少しずつ大きくなっています。

柿は食べても美味しいですし、柿のヘタの部分も役に立ちます。

院長は呼吸器専門医ですが、肺がんの治療で化学療法をすると、しゃっくりが止まらくなることがあります。よくある処方薬でたいていは止まるのですが、どんな薬を使っても一向に止まらない患者さんがいました。

「せんせー(ひゃっく)、これじゃー(ひゃく)、めしも(ひゃく)、くえねえ(ひゃっく)」・・と四六時中しゃっくりしていて、ご飯もおちおち食べていられません。食べ物が気管に入る誤嚥でも起こしたら大変です。

通常の薬では手に負えないので、病院の薬局に相談すると、「いい薬があります!」と薬剤師の先生に秘策がある様子。「準備にちょっと時間を下さい。あとで来て下さい」。
といわれたので、のこのこ見に行くと、ふわーっと甘い香りが薬局に立ち込めています。よく見ると、土瓶から湯気が立っていい匂いがしています。

現代医学の申し子みたいな薬がそろった薬局で土瓶蒸しかー、と少し微笑ましく思ったのですが、これも立派な漢方薬。柿のへた+ショウガ+クローブをぐつぐつ煮て作る、「柿蒂湯(していとう)」です。

ほんのり甘い匂い柿蒂湯をきゅーっと冷やしてちびちび飲んでいただきました。しゃっくりは間隔がしだいに長くなり、やがて止まりました。よかったよかった。

しゃっくりは、横隔膜などのけいれんが原因です。芍薬甘草湯もしゃっくりに効きますが、この患者さんの場合には効果がなかったので、柿のヘタを手作りで煮出した柿蔕湯を薬剤師の先生に作っていただきました。ともあれ、患者さんが良くなるのがいちばん大事ですので、まずは良かったです。

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