生薬づくり体験会のご報告

ハガキなどでご案内していた体験会。当院の庭というか薬草園の収穫物を使って、体に良いものを作ろう、というコンセプトで準備していました。が、あいにく台風が来たり、秋雨が長引いたりして肌寒い日々ですので、参加者がカゼを引くなどしては本末転倒です。急遽、屋内でできる内容に差し替えました。

ご家庭の庭に植わっているような、身近な植物で生薬をつくろう、というイベントはおいおい開催しますので、懲りずにご参加いただければ幸いです。


何をやろうか、と考えました。最近は涼しくなってきて、冷え症とか頭痛とかで困っている方が増えてきました。「むかし帝王切開をしたのだけど、それから冷えてしんどい」「頭がなんとなく痛い。病院で診てもらっても気のせいといわれるばかり」と相談を受けます。そこで、自分で漢方薬を作って元気になろう!という企画にしました。



これらの生薬をブレンドします。

上から桃仁(とうにん)、芍薬(しゃくやく) 、牡丹皮(ぼたんぴ)
下が茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)
     です、

何ができるでしょうか?
桂枝茯苓丸ですね。

材料を業務用のミキサーで粉砕してよく混ぜます。ミキサーのフタを開けると会場のキッチンが八ツ橋の匂いに包まれました。桂皮はシナモンですもん。




ブレンドした粉にハチミツをまぜて棒状にします。



ほどよい大きさに切って丸めます。





完成品です。本来は石松子をまぶすのですが、これはその前の写真です。
もう少し粒度を細かくしても良かったかも知れません。

参加者の皆さんからは、「あまりやったことがない体験だった」「おもしろかった」と好評をいただきました。



「家にあるもので元気になろう」というコンセプトを貫くべく、生姜を使った企画もやりました。

スーパーに売っているショウガを刻んで蒸したものを乾姜(かんきょう)と呼びます。
みんな大好きクックパッドにもちゃんと載っています。

乾姜を粉末にしたものを、水に入れてみます。
500mlの水に対して、左から乾姜1g、2g、3g、5gです。



これを飲みくらべてみました。
ショウガのからさに強いほど、冷え症だと言われています。
MAXの5gでも「なんともないわ」という方がいました。
よくよく伺うと、帝王切開のあとから冷え症に悩んでいるそうでした。

これからはショウガを料理に使うときには、蒸したショウガを使うことをおすすめしました。これまた手間がかかって大変だわー、ということでしたので、市販の乾姜をお求めになるようです。
薄く切って干したショウガ。天気が悪くてなかなか乾きません


ちなみにうちの子が描いたショウガの絵です。



医者が処方する薬も大事ではありますが、先人たちの知恵を使って、身近なもので元気になれれば「スマイル」ですね。




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