病院の近くのもう一つのお家

今日のYahooニュースにこんな記事がありました。
当院でやりたいことと重なるので、紹介したいと思います。

病院近くの「もう一つのわが家」――病と闘う子どもと家族を支える“ハウス”の実情
たとえばあなたの子どもが重い病にかかり、遠方の病院に長期入院することになって、つきっきりで看護をするとなったとしたら――。看護する家族の滞在費だけでも、家計の負担はかなり重くなる。そんな家族のために存在するのが「ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス」だ。入院する子どもとその家族のための安価な宿泊施設で、「病院近くのもう一つのわが家」とも言われる。現在国内に約130の施設がある。支えるのは寄付とボランティアたち。利用者、ボランティアたちの想いと課題を取材した。(ノンフィクションライター 古川雅子/Yahoo!ニュース 特集編集部)


しっかり書いてある記事ですので、詳しくはぜひ一読いただきたいと思います。

名取には、県立の精神医療センターとがんセンターがあります。院長個人が、がん医療と精神科医療の両方にかかわった経験から言うと、とりわけ自己負担が大きいのはがん治療の方ではないかと思います。

遠方からがんの治療に訪れても、治療のトレンドは今や日帰りです。
抗がん剤の点滴や放射線治療を終えても、帰らなければなりません。
ぐったりして遠くの家に帰る体力はあるでしょうか。
どこかの宿に泊まるにしたって、ホテル代もけっこう大変です。
ビジネスホテルの殺風景な部屋にひとりで泊まるとなると、心細さもひとしおでしょう。

こうした医療機関で治療する方の役に立ちたいと思って物件を買って当院を開き、その1階にシェアハウスとしてのスペースを設けました。私たちが目指すのは、自分の家ではないけれど、アットホームな雰囲気が味わえるような施設です。

●「今日何食べる?」と声をかけてもらい、まな板の音やご飯が炊けた湯気の匂いを感じながら、「ごはんできたよー」とお部屋に届けてもらう。

●「お風呂湧いたよー。今日は何の湯にする?鳴子?登別?」

●「今日は天気がよかったから、布団干しておいたよ」とおひさまの匂いのする布団で練眠る。

好きなものを食べたり、誰かに甘えたりしたという生活を提供することができれば、決して楽ではない、がんの治療を下支えすることになるかと思います。治療の疲れでぐったりしているときには、なにげない優しさが染み入るのではないでしょうか。

公的なサービスがないかというと無いわけではありません。ただ、介護保険の保険料を払っていても、サービスが使えるのは末期がんになってからです。全額自腹では生活も立ち行かなくなります。できるなら、少しの負担で助けていただける有償ボランティアさんにたくさん集まっていただいて、心身の負担や経済面で困っている患者さんを支える仕組みが作れたらと考えています。

興味や関心をお持ちになった方は、当院までお電話いただければ幸いです。
電話 022-765-0783

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