朝に体調が悪く、日常生活で困っている若い方がよく受診されます。
<起立性調節障害の特徴>
<ヒバリ型>
体が丈夫で、朝から元気で胃腸も丈夫。体力もあって寝付きも良い。若いうちは体力があるため多少の不摂生にも無理がきく。このため、中年以降では生活習慣病が懸念される。
5.スロースターター型
【メカニズム】
めまいは起立性低血圧に伴う脳血流低下が原因です。これに反応して心臓がバクバク動いて(心悸亢進)、動悸を感じます。同時に皮膚の血管が収縮して皮膚に血が行かなくなり、顔面蒼白となります。
こうした症状があれば起立性調節障害が考えられます。
<起立性調節障害の特徴>
・朝起きるのがつらく、寝坊しがち。起きた後もボーっとして、スッキリしない。
・食欲がなく朝食は食べないか、食べたくないが頑張って食べる。
・学校や仕事に行っても午前中は元気がなく、午後にやっと活気が出る。
・夜は元気で仕事も勉強もはかどり、早く床に就いても目がさえて眠れない。
起立性調節障害は自律神経失調症の一つとされています。
・食欲がなく朝食は食べないか、食べたくないが頑張って食べる。
・学校や仕事に行っても午前中は元気がなく、午後にやっと活気が出る。
・夜は元気で仕事も勉強もはかどり、早く床に就いても目がさえて眠れない。
起立性調節障害は自律神経失調症の一つとされています。
さらに細かい分類がありまして、メインの症状からいろいろ呼ばれます。
・疲れやすさが前面に出る・・「小児慢性疲労症候群」
・概日リズムの異常 ・・「睡眠相後退症候群」
起立性調節障害のせいで、不登校やひきこもりが起こっている場合には、治療して体調が良くなると社会復帰できることもあります。
「気持ちの問題」「やる気がない」などといって本人をなじるのではなくて、「身体的な問題」であると認識して治療することが重要です。ちなみに、症状が苦しいと訴え始めるのは大体20歳位からで、30歳代が最もつらく、40歳を過ぎると段々訴えが少なくなるといいます。
<漢方的な分類>
「気持ちの問題」「やる気がない」などといって本人をなじるのではなくて、「身体的な問題」であると認識して治療することが重要です。ちなみに、症状が苦しいと訴え始めるのは大体20歳位からで、30歳代が最もつらく、40歳を過ぎると段々訴えが少なくなるといいます。
<漢方的な分類>
朝は元気がないものの夜は元気なので、漢方の大家であった山本巌先生(故人)は、『東医雑録』の中で、「フクロー型」と命名しました。反対に、朝から元気なのは「ヒバリ型」だそうです。
<フクロー型>
スロースターター。若い頃は苦しい反面、体に無理が効かないことから無理をせず摂生する傾向にあるため、年老いてからは元気であることが多い。
スロースターター。若い頃は苦しい反面、体に無理が効かないことから無理をせず摂生する傾向にあるため、年老いてからは元気であることが多い。
<ヒバリ型>
体が丈夫で、朝から元気で胃腸も丈夫。体力もあって寝付きも良い。若いうちは体力があるため多少の不摂生にも無理がきく。このため、中年以降では生活習慣病が懸念される。
1980年代に「フクロー型は、世の中に20~30%もいる」と山本先生が述べていますが、スマホやネットが普及して夜遅くまで起きている人が増えた今では、患者さんはもっと増えた印象です。自律神経が撹乱されるためでしょうか。
フクロー型でみられる症状は、
1.回転性めまい
1.回転性めまい
2.肩こりと頭痛
3.心悸亢進(動悸がする)
4.倦怠感および易疲労性5.スロースターター型
【メカニズム】
めまいは起立性低血圧に伴う脳血流低下が原因です。これに反応して心臓がバクバク動いて(心悸亢進)、動悸を感じます。同時に皮膚の血管が収縮して皮膚に血が行かなくなり、顔面蒼白となります。
<患者さんのケース>
Aさん(プライバシーに配慮して改変してあります)。
13歳の男子中学生。
以前から立ちくらみがあって、小学校のころから朝礼で倒れることが何度かあった。
X年2月上旬から、朝はなんとか起きられるものの、気分不良で遅刻するようになった。
2月下旬には、気分不良、嘔気、頭痛が1日中続いて学校にいけなくなった。
3月 小児科で「低血圧」と言われた。血圧を上げるためのミドドリン塩酸塩錠が処方され、カウンセリングが始まった。が、一向に良くならず苦しみ続けた。
4月 当院を受診。
(診察)やせている。寝た状態から頭を上げると、ふわふわした感じと動悸がする。口も渇くが水はあまり飲まず、1日にペットボトルで500ml程度。尿も2~3回/日と 少ない。幼稚園のころから、送り迎えのバスでよく車酔いしていた。
[経過]
初診時:苓桂朮甘湯エキス3包分3を開始した。
1週間後:漢方薬を飲み始めてから少しは楽になった。「きつい」と言いながらも学校に行けるようになった。元気と食欲が出てきた。
1ヶ月後:遅刻しないで毎日登校できている。
2ヶ月後:暑くなってきたので、少しきつそうだが大丈夫な様子。
3ヶ月後:部活で熱心に練習でき、大会にも出場できたので当院での診療を終了。
めまいは水分代謝が悪い状態(水毒)が原因で起こると漢方医学では考えます。特に起立性めまいには、 水分代謝を調節する漢方薬の1つである苓桂朮甘湯を使うことがあります。立ちくらみ以外の頭痛や動悸、倦怠感などの起立性調節障害の症状にも有用です。
起立性調節障害の症状は、午前中に強く午後には軽減する傾向があります。この傾向も苓桂朮甘湯を投与する目標になります。
もし、朝起きられなくてお困りの方がいましたら、当院にご相談ください。詳しい問診や、血圧の変化を測定する起立試験などを行って、起立性調節障害かどうか、他の疾患が隠れていないかなどを調べます。薬も上記の薬の他にもトライして、体にしっくり来るものを一緒に探していけたらと考えています。
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